サンタナトレードの可否
サンタナのトレードがようやく決着しました。
トレード相手はヤンキース、レッドソックスらが主役と見られていましたが、結果はメッツ。
個人的にはヤンキース、レッドソックスの撤退はチーム強化を考えれば当然の結果で正しい判断だと思います。
ともに主力の年齢層が高くなっており世代交代が迫られる中、昨年あたりから将来を担う有望な若手が続々とメジャーに昇格し活躍していました。
まだ27歳と若く才能溢れるサンタナ獲得はもちろんこの上なく魅力的な補強の選択肢ではあるものの、生え抜きの有望な若手たちを軸に5年後10年後に繋がるチーム作りをすることが正道であり、そうした貴重なチームの財産を失ってまで獲得する必要はなかったということでしょう。
では、トレードの当事者であるツインズとメッツにとっては、このトレードは成功といえるでしょうか?
メッツにとっては、野手の補強はほぼ満足いく内容であったのに対して、先発陣はマルチネス、ヘルナンデスらベテランは怪我などあってフルシーズンを任せるのは難しい状況ですし、メイン、ペレス、ペルフリーら将来性豊かな若手が昨年あたりから活躍しているものの、まだローテーションの中心を任せるには足りず、頭数は揃いながらも若干の不安を残した状態でした。
昨年終盤の大失速の汚名を返上するためにもなんらかの補強は必要だっただけに、エースとして年間通してローテーションの中心を任せられるサンタナ獲得は的確な補強でしょう。
もう一方の当事者であるツインズですが、サンタナ放出は既に規定路線であったようです。
昨年まだプレーオフの芽が完全に潰えたわけではない中盤にチームがルイス・カスティーヨを放出したときには公然とフロント批判をしていましたし、スモールマーケットのツインズがFAしたサンタナを引き止めるだけの資金力が無いのも周知の事実。
となれば、サンタナがチームを去るというのは確定的だっただけに、後は「どの方法でチームを去るか」が焦点でした。
方法は二つ。FA前にトレードで他チームの有力選手と交換するか、FA移籍による補償として翌年のドラフト上位指名権を獲得するか。
以下にも書くとおり、現状のチーム戦力の薄さを考えるならば、後者を選んでチーム再建に長期間費やすような状況ではないだけに、答えは自ずと決まっていました。
先ず先発投手については、昨年の2本柱であったサンタナ、シルバだけでなく、若手成長株のガーザさえ放出してしまい、ボンサー、ベイカーあたりを軸に、トミージョン明けのリリアーノにも過大の期待をかけざるを得ない状況です。
スロウィー、カミングス、ブラックバーン、ダーンシング、バスら23〜25歳と若く、昨シーズン3Aでは及第点をあげられるだけの実績を残した投手陣が控えており、このあたりから1,2名は先発ローテーションに食い込んでくる可能性も十分にありますが、裏を返せば彼らが出てこないことにはまともにローテーションも組めないほど現有戦力が手薄であるということです。また、彼ら若手がメジャー昇格してしまうと2Aも含めてマイナーの有望な人材が一気に手薄になるため、マイナーの再建も大きな課題です。
また、野手についてはハンター、バートレットが抜けた分の補強として、トレードでレイズからヤングとハリス、カブスからモンローを、またFAでアストロズからラムとエベレットを獲得し、レギュラーポジションを埋めるだけの目処は立ったものの、全体的に小粒化したことは否めず戦力としてはダウンしたと言わざるを得ません。
ヤングやハリスはまだ若く成長の余地は残していますし、スーパーサブ的役割で活躍していたラムは意外と面白い存在になりそうな気もします。しかし、同地区のインディアンズやタイガースと比べれば大きく見劣りがするのは否めず、マウアー、モルノーら生え抜きの主力が実力通りの活躍をしたとしても、上位進出は難しい状況でしょう。
このように、プルペンを除くほぼ全てのポジションで戦力が不足しているチーム事情の中、サンタナの代替として誰を獲得するのかに注目していましたが、結果獲得したのは以下の若手4名となりました。
カルロス・ゴメスは22歳の外野手。
06年には2Aビンガムトンでシーズン41盗塁を記録。昨年はメジャー初昇格で僅か125打数ながら12盗塁を記録するなど俊足が売りで、ベースボールアメリカでも「メッツ3番目のプロスペクト」「強肩&俊足ならメッツでナンバー1」との評価を得るほどの好素材です。06年には2Aで430打数で打率.281、出塁率.350とまずまず貢献した一方で97三振、27四球とまだまだ粗さが目立っていましたが、昨年は3Aに上がっても打率、出塁率は若干アップさせ、三振、四球は大幅に改善させるなど成長の跡も見られました(打数が140程度であったため単純に比較はできませんが)。さすがにメジャーでは苦しんだものの、まだ22歳と若く、昨年は昇格1年目であったことも考えればよくやったと言えるのではないでしょうか。
長打はあまり期待できないにしても、俊足&強肩に今後粘り強いバッティングが加われば、将来的にはハンタークラスの選手になる可能性は十分にありそうです。
今年すぐにとはいきませんが、今年出場機会さえ十分に与えられれば、非常に近い将来のブレイクを予感させてくれる楽しみな逸材です。
フィリップ・ハンバーは04年のドラフト1順目(3位)指名を受けて入団し、昨年3Aニューオーリンズのエースを務めた25歳。
ルーキーイヤーの05年こそ肘の怪我で満足いく結果は残せなかったものの、2年目の06年は主にA、2Aで防御率2.88、WHIP0.99と素晴らしい成績を残し、僅か2試合、2イニングとはいえメジャー登板も果しました。更に昨年は3Aニューオーリンズでチーム最多の25先発、139イニングを投げ、11勝9敗、防御率4.27、WHIP1.24と及第点の成績を残し、メジャーでも初の先発を果すなど、着実にステップアップしており、メジャー定着の準備は整ったのではないでしょうか。
先発投手陣が手薄で、昨年の3A先発投手の競争から2名程度のローテーション投手を作らなければならないツインズのチーム事情を考えれば、ハンバーならその競争に割って入り、場合によってはローテーションの座を奪う可能性もあります。
ゴメスほどではないにせよ、近い将来期待できる選手です。
ケビン・マルビーは06年ドラフト2順目(メッツではトップ指名)で指名された22歳の投手。
ルーキーイヤーの06年に2Aビンガムトンで3先発し、イニング数は少ないながらも好投。昨年はビンガムトンのエースとして26先発で11勝10敗、防御率3.32、WHIP1.24と活躍。終盤には僅か1試合ながら3Aにも昇格し好投を見せました。
まだまだ経験は乏しいものの、今年もしっかり結果を残せばメジャー昇格のチャンスもあるでしょう。
デオリス・グエーラはこの4人の中では群を抜いて若い18歳。
06年シングルAで86イニングを投げ、7勝8敗、防御率2.53と結果を残し、昨年はアドバンスドAのセントルーシーでチーム3位の20先発、89イニングを投げました。結果は2勝6敗、防御率4.01とやや苦労しましたが、WHIP1.17、被打率.240は及第点と言えるでしょう。
年齢を考えれば、当分はA、2Aでじっくり経験を積ませた上で、数年後のメジャー昇格を目指す、といったところでしょうか。
マルビーもそうですが、この二人については、今年は手薄になったマイナー先発陣の主力として、数年後のメジャー昇格を目指して先発としての経験を積むことになりそうです。
こう見てくると、将来性でいえば4人とも大変有望な選手と言え、トレードの成否でいうならば私は成功だったと思いますが、残念ながら今年に限って言えば即戦力と見込むには荷が重く、戦力的に厳しい今年のツインズの状況を好転させてはくれないでしょう。
2002年以降ガーデンハイアー監督の元で築いてきた黄金期もこれでいったん終了となったのは確実で、ここ数年は低迷を余儀なくされそうです。
しかし、投手陣に関しては有望株が多数控えており、攻撃陣の補強さえうまくできるようなら数年で再び上位争いができるチームを作り上げることも無理な話ではないように思います。
スモールマーケットの典型のようなチームが、いかにして強豪チームと渡り合っていくか。
奇しくもその代表格と言われてきたツインズとアスレチックスが揃ってこれまでのチームをいったん解体し、一から再構築を始めようとしています。
結果がどうでるか、今後数年のツインズの動向には注目です。
トレード相手はヤンキース、レッドソックスらが主役と見られていましたが、結果はメッツ。
個人的にはヤンキース、レッドソックスの撤退はチーム強化を考えれば当然の結果で正しい判断だと思います。
ともに主力の年齢層が高くなっており世代交代が迫られる中、昨年あたりから将来を担う有望な若手が続々とメジャーに昇格し活躍していました。
まだ27歳と若く才能溢れるサンタナ獲得はもちろんこの上なく魅力的な補強の選択肢ではあるものの、生え抜きの有望な若手たちを軸に5年後10年後に繋がるチーム作りをすることが正道であり、そうした貴重なチームの財産を失ってまで獲得する必要はなかったということでしょう。
では、トレードの当事者であるツインズとメッツにとっては、このトレードは成功といえるでしょうか?
メッツにとっては、野手の補強はほぼ満足いく内容であったのに対して、先発陣はマルチネス、ヘルナンデスらベテランは怪我などあってフルシーズンを任せるのは難しい状況ですし、メイン、ペレス、ペルフリーら将来性豊かな若手が昨年あたりから活躍しているものの、まだローテーションの中心を任せるには足りず、頭数は揃いながらも若干の不安を残した状態でした。
昨年終盤の大失速の汚名を返上するためにもなんらかの補強は必要だっただけに、エースとして年間通してローテーションの中心を任せられるサンタナ獲得は的確な補強でしょう。
もう一方の当事者であるツインズですが、サンタナ放出は既に規定路線であったようです。
昨年まだプレーオフの芽が完全に潰えたわけではない中盤にチームがルイス・カスティーヨを放出したときには公然とフロント批判をしていましたし、スモールマーケットのツインズがFAしたサンタナを引き止めるだけの資金力が無いのも周知の事実。
となれば、サンタナがチームを去るというのは確定的だっただけに、後は「どの方法でチームを去るか」が焦点でした。
方法は二つ。FA前にトレードで他チームの有力選手と交換するか、FA移籍による補償として翌年のドラフト上位指名権を獲得するか。
以下にも書くとおり、現状のチーム戦力の薄さを考えるならば、後者を選んでチーム再建に長期間費やすような状況ではないだけに、答えは自ずと決まっていました。
先ず先発投手については、昨年の2本柱であったサンタナ、シルバだけでなく、若手成長株のガーザさえ放出してしまい、ボンサー、ベイカーあたりを軸に、トミージョン明けのリリアーノにも過大の期待をかけざるを得ない状況です。
スロウィー、カミングス、ブラックバーン、ダーンシング、バスら23〜25歳と若く、昨シーズン3Aでは及第点をあげられるだけの実績を残した投手陣が控えており、このあたりから1,2名は先発ローテーションに食い込んでくる可能性も十分にありますが、裏を返せば彼らが出てこないことにはまともにローテーションも組めないほど現有戦力が手薄であるということです。また、彼ら若手がメジャー昇格してしまうと2Aも含めてマイナーの有望な人材が一気に手薄になるため、マイナーの再建も大きな課題です。
また、野手についてはハンター、バートレットが抜けた分の補強として、トレードでレイズからヤングとハリス、カブスからモンローを、またFAでアストロズからラムとエベレットを獲得し、レギュラーポジションを埋めるだけの目処は立ったものの、全体的に小粒化したことは否めず戦力としてはダウンしたと言わざるを得ません。
ヤングやハリスはまだ若く成長の余地は残していますし、スーパーサブ的役割で活躍していたラムは意外と面白い存在になりそうな気もします。しかし、同地区のインディアンズやタイガースと比べれば大きく見劣りがするのは否めず、マウアー、モルノーら生え抜きの主力が実力通りの活躍をしたとしても、上位進出は難しい状況でしょう。
このように、プルペンを除くほぼ全てのポジションで戦力が不足しているチーム事情の中、サンタナの代替として誰を獲得するのかに注目していましたが、結果獲得したのは以下の若手4名となりました。
カルロス・ゴメスは22歳の外野手。
06年には2Aビンガムトンでシーズン41盗塁を記録。昨年はメジャー初昇格で僅か125打数ながら12盗塁を記録するなど俊足が売りで、ベースボールアメリカでも「メッツ3番目のプロスペクト」「強肩&俊足ならメッツでナンバー1」との評価を得るほどの好素材です。06年には2Aで430打数で打率.281、出塁率.350とまずまず貢献した一方で97三振、27四球とまだまだ粗さが目立っていましたが、昨年は3Aに上がっても打率、出塁率は若干アップさせ、三振、四球は大幅に改善させるなど成長の跡も見られました(打数が140程度であったため単純に比較はできませんが)。さすがにメジャーでは苦しんだものの、まだ22歳と若く、昨年は昇格1年目であったことも考えればよくやったと言えるのではないでしょうか。
長打はあまり期待できないにしても、俊足&強肩に今後粘り強いバッティングが加われば、将来的にはハンタークラスの選手になる可能性は十分にありそうです。
今年すぐにとはいきませんが、今年出場機会さえ十分に与えられれば、非常に近い将来のブレイクを予感させてくれる楽しみな逸材です。
フィリップ・ハンバーは04年のドラフト1順目(3位)指名を受けて入団し、昨年3Aニューオーリンズのエースを務めた25歳。
ルーキーイヤーの05年こそ肘の怪我で満足いく結果は残せなかったものの、2年目の06年は主にA、2Aで防御率2.88、WHIP0.99と素晴らしい成績を残し、僅か2試合、2イニングとはいえメジャー登板も果しました。更に昨年は3Aニューオーリンズでチーム最多の25先発、139イニングを投げ、11勝9敗、防御率4.27、WHIP1.24と及第点の成績を残し、メジャーでも初の先発を果すなど、着実にステップアップしており、メジャー定着の準備は整ったのではないでしょうか。
先発投手陣が手薄で、昨年の3A先発投手の競争から2名程度のローテーション投手を作らなければならないツインズのチーム事情を考えれば、ハンバーならその競争に割って入り、場合によってはローテーションの座を奪う可能性もあります。
ゴメスほどではないにせよ、近い将来期待できる選手です。
ケビン・マルビーは06年ドラフト2順目(メッツではトップ指名)で指名された22歳の投手。
ルーキーイヤーの06年に2Aビンガムトンで3先発し、イニング数は少ないながらも好投。昨年はビンガムトンのエースとして26先発で11勝10敗、防御率3.32、WHIP1.24と活躍。終盤には僅か1試合ながら3Aにも昇格し好投を見せました。
まだまだ経験は乏しいものの、今年もしっかり結果を残せばメジャー昇格のチャンスもあるでしょう。
デオリス・グエーラはこの4人の中では群を抜いて若い18歳。
06年シングルAで86イニングを投げ、7勝8敗、防御率2.53と結果を残し、昨年はアドバンスドAのセントルーシーでチーム3位の20先発、89イニングを投げました。結果は2勝6敗、防御率4.01とやや苦労しましたが、WHIP1.17、被打率.240は及第点と言えるでしょう。
年齢を考えれば、当分はA、2Aでじっくり経験を積ませた上で、数年後のメジャー昇格を目指す、といったところでしょうか。
マルビーもそうですが、この二人については、今年は手薄になったマイナー先発陣の主力として、数年後のメジャー昇格を目指して先発としての経験を積むことになりそうです。
こう見てくると、将来性でいえば4人とも大変有望な選手と言え、トレードの成否でいうならば私は成功だったと思いますが、残念ながら今年に限って言えば即戦力と見込むには荷が重く、戦力的に厳しい今年のツインズの状況を好転させてはくれないでしょう。
2002年以降ガーデンハイアー監督の元で築いてきた黄金期もこれでいったん終了となったのは確実で、ここ数年は低迷を余儀なくされそうです。
しかし、投手陣に関しては有望株が多数控えており、攻撃陣の補強さえうまくできるようなら数年で再び上位争いができるチームを作り上げることも無理な話ではないように思います。
スモールマーケットの典型のようなチームが、いかにして強豪チームと渡り合っていくか。
奇しくもその代表格と言われてきたツインズとアスレチックスが揃ってこれまでのチームをいったん解体し、一から再構築を始めようとしています。
結果がどうでるか、今後数年のツインズの動向には注目です。
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